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頭頂葉
こんにちは 😀
前回は、と言ってもひと月が過ぎてしまいましたが 😓 前頭葉についてお話ししました。本日は頭頂葉についてお話しようと思います ‼️
頭頂葉は、前頭葉、後頭葉、側頭葉全てに接しており、身体各部の体性感覚が入力する体性感覚野と、様々な情報を統合・認知する頭頂連合野の2つに大別されます。
体性感覚野は一次体性感覚野と二次体性感覚野に分かれますが、特に一次体性感覚野が重要で、対側の身体各部の体性感覚に関わります。ここが障害されると、感覚障害や肢節運動失行が生じます。肢節運動失行とは、指先を使った細かい動作ができなくなる(巧緻性の低下)障害であり、その症状は対側の上肢や下肢に出現します。具体的にはボタンがうまく使えなかったり、文字が書けなかったりします。
頭頂連合野は、大脳皮質の他の領域で受け取った視覚・聴覚・体性感覚などを統合・認識することにより、物体の鑑別や空間の認知を行います。そこで統合された情報は前頭連合野に送られ、運動の計画が行われます。
自動車運転中に踏切が閉まり、止まるケースを例にしてみましょう。
大脳皮質の他の領域で踏切のバーが閉まり(視覚情報)、カンカンカンと踏切の音と電車の走る音が聞こえ(聴覚情報)、車のハンドルを握りブレーキに足を乗せています(体性感覚情報)。
頭頂連合野で「踏切が閉まり、踏切の閉まる音と電車の音が聞こえる」と情報を統合・認知します。
そして前頭連合野で「危ないからブレーキをして止まろう」と運動の計画をします。
この頭頂連合野が障害されると、以下の様々な障害を生じます。
・半側空間無視
 全視野が目に入っているにもかかわらず、意識して注意を向けない限り、左側(病巣の対側)の物体に気づかなくなります。食事で皿の左半分を残したり、歩行時に左側の物体にぶつかったりします。右の上頭頂小葉、下頭頂小葉の障害により生じます。右大脳半球損傷患者の約4割に出現します。検査には線分二等分試験があり、線分を半分にしてもらい、左半分を無視して半分にした場合陽性となります。
・身体失認
 身体失認には、半側身体失認、身体部分失認、病態失認、左右失認、手指失認などがあります。半側身体失認は障害側の対側への注意が病的に低下し、存在しないかのように扱います。主に右頭頂葉後方の障害で生じます。左側だけ髭を剃り残したり、パソコンのキーボードを全て右手でタイピングしたりします。
 身体部分失認は、身体部の名称を言われたり、触られたりしても、その部位を指示できなくなります。左あるいは両側の頭頂葉後方の障害で生じます。
・失読失書
 読み書きができなくなります。読み書きの中枢といわれる、左角回の障害で起こります。
・Gerstmann症候群
 左角回の障害により、手指失認、左右失認、失書、失算の四徴を呈するものをいいます。
・観念失行
 使い慣れているはずの道具を使用できなかったり、手順がわからなくなります。左角回の障害で起こります。
・構成障害(構成失行)
 空間的構成(例えば積み木、図形の描写)ができなくなります。左か右の頭頂葉後方の障害で起こります。
・着衣失行
 衣服を正しく着たり脱いだりできなくなります。右の頭頂葉後方の障害で起こります。
頭頂葉は他の大脳皮質の領域に比べ、やや複雑な印象です・・・😶 特に障害は覚えるのは難しいので、実際臨床に出たら、参考書を持ち歩いて経験の中で理解できるといいと思います 🙂
ではまた 🖐️




