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小児②

こんにちは 😃 本日は前回に引き続き、小児の特徴をバイタルサインを中心に話していきます ❗

血圧
 成人に比べ、血管が柔らかいため、血圧は低くなります。一回拍出量が少ないため、心拍出量は心拍数に依存しています。徐脈により容易に血圧は低下するので、注意が必要です。また、体重あたりの体内水分量が多く、なかでも細胞外液が多いため、すぐに脱水に陥りやすく、前負荷の不足からさらに一回拍出量の低下をきたしやすいという特徴があります。
 発達段階によって、測定時にじっとしていられないことや、加圧時の圧迫感で恐怖を感じることがあります。理解力に合わせて、実際の血圧計を見せて人形の血圧を測ってみたり、遊びとして人形や測定者の血圧を測定してもらったりしてどのようなことが起こるのかを子どもが予測できるようにします。その際に、子どもが体感する「ギュッと締めつけられること」「動かないでいてくれると早く終わること」をきちんと伝えることが重要です。新生児や乳児はコロトコフ音の聴取が難しいので、ドップラーや聴診法を用いて収縮期血圧のみ測定することも多いです。

脈拍
 小児の心筋は収縮組織が少なく、拡張期の伸縮性も低いため一回拍出量が制限されます。そのため、心拍数を多く保つことで循環を維持する必要があります。心拍数の基準(回/分)は、新生児100~180、乳児100~160、2~10歳80~150、10歳以上60~120です。心拍数を増加させても血圧を保てなくなった場合、急激に状態が悪化することがあります。血圧が低下する前に介入するのがポイントです。
 脈拍数は呼吸数と並んで変動の大きいバイタルサインなので、落ち着いている状態での測定を心がけましょう。脈拍数の測定は、新生児と乳児の場合は上腕動脈または胸部の聴診で、年長児以降では橈骨動脈の触知で行います。

呼吸
 成長が著しい小児期は代謝率が高く、酸素重要が成人の2倍となります。成人は主に胸式呼吸をしていて、胸郭の前後径の拡張によって呼吸をしています。しかし、胸郭が未発達である乳幼児期までは十分な胸郭の拡張ができず、さらに呼吸筋も未熟であるため、成人のように胸式呼吸ができません。したがって、新生児・乳児は横隔膜を上下させる腹式呼吸を主にしています。
 横隔膜の形態は年齢が低いほど偏平で、身長に対して胃や肝臓が大きいので押し上げられています。そのため、小児の腹式呼吸では一回換気量が小さくなります。
 さらに、気道内径が小さく気管支壁が柔らかい上に、痰や分泌物の喀出力が弱いため気道狭窄が起こりやすくなります。口腔内の容積に比して舌の占める割合は大きく、主に鼻呼吸をしているので、分泌物などで鼻が詰まり、呼吸が困難になることもあります。
 呼吸数は、不安や興奮を引き起こさないよう、体に触れることなく測定するのがポイントです。小児の呼吸は不規則なことが多いため、原則1分間測定します。

体温
 小児では一般に37.5℃以上を発熱とします。37.5~38℃を微熱、38~39℃を中等熱、39℃以上を高熱と呼び、深部体温が35℃以下の場合を低体温といいます。
 小児は成長に伴う代謝が活発なため、平熱は成人よりも高い傾向にあります。しかし筋肉量、皮下脂肪が少なく、体重に比べて体表面積が大きい、汗腺が未発達などの理由で、環境の温度の影響を受けやすいという特徴があります。
 新生児〜乳児では直腸温、幼児以降では腋窩温で測定を行います。

小児はバイタルサインを測定するだけでも様々な工夫が必要ですね!できるだけ短時間で負担のないよう測定できるようになれるといいですね

ではまた 🖐️

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