TOPICS

小児①

こんにちは!皆さん新年度の生活は順調ですか?
5月病に注意して、ほどほどに頑張っていきたいですね 🌸

本日は3月にお話しした高齢者の特徴に続いて、小児の特徴についてバイタルサインを中心に話していきたいと思います。
小児は成長発達の途上にあるので、成人と比べて体は小さく、あらゆる機能が未熟です。したがって予備力が小さく変化が早いため、重篤化しやすいという特徴があります。さらに、年齢や発達段階によっては、自分の体調の変化を自ら訴えたり、正確に伝えることが難しいこともあります。小児の特徴を理解し、早期に異常に気づくことが重要です。

小児のバイタルサインを測定するポイントとしては、子どもに触れる前(泣かれる前)にできるだけ多く観察による情報を得ることです。小児は見ず知らずの医療者が近づくだけでも怖がったり興奮したり泣いたりして、バイタルサインを正確に測定できないこともあるためです。まず表情や姿勢、皮膚の色を見てから聴診を始めます。一般的に、呼吸→脈拍→体温→血圧の順番に測定するのが子どもに負担が少なく、よいとされています。

小児を観察するときには、第一印象から子どもの状態の緊急性を評価します。この時のアセスメントの視点をPAT(小児アセスメントトライアングル)といいます。機器を用いず、視診と聴診のみで30〜60秒といった短時間で重症度・緊急度の評価を行います。PATはアセスメントに必要な項目をA ,B,Cの略字で表現していて、それぞれAppearance(外観)、Breathing(呼吸状態)、Circulation to skin(皮膚への循環)を表します。

Appearance(外観)
Tone(筋緊張):動いているか?ぐったりしていないか?
Interactiveness(周囲への反応):周囲に気を配っているか?おもちゃで遊ぶか?
Consolability(精神的安定):あやすことで落ち着きを取り戻せるか?
Look/Gaze(視線/追視):視線が合うか?ぼんやりしていないか?
Speech/Cry(会話/啼泣):こもった、かすれた声をしているか?強く泣いているか?

Breathing(呼吸状態)
鼻がピクピクする(鼻翼呼吸)があるか
顔面蒼白はあるか
首の筋肉が目立つか
肩が上がっているか

Circulation to skin(皮膚への循環)
CRTの延長はあるか ※CRTの延長の見かたは、指の爪床を5秒圧迫した後に解除し、元の爪の色に戻る時間を測定する。2秒よりも長ければ「延長」
ツルゴールの低下はあるか
皮膚の蒼白はあるか
末梢冷感はあるか
網状チアノーゼはあるか

PATの異常は直ちに介入が必要な緊急事態であるという認識をもち、いずれかの時点で致死的な障害があると判定した場合は、適切な介入を直ちに開始します。

続きは、次回に・・、本日はこの辺で😄

pagetop